2012年5月22日火曜日

測定結果のまとめ

測定結果のまとめと問題点


  ①γ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)導入から1週間を経過し、あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では、γ線放射能モニターの性能把握と測定練度を高めるため下記の様々な測定試料を検査してきました。 結果としては、いずれの検体からも放射性セシウムや放射性ヨウ素(減衰により既に消滅)による汚染を検出できていません

◎食品類: 米(新発田市産)、タケノコ(阿賀野市産)、オレンジ(カルフォルニア産)
◎水試料: 水道蛇口水(阿賀野市)、瓢湖湖水(表面水)
◎土壌類: 土壌(雨どい直下)、砂(雨どい直下)、粘土層(瓢湖湖底)
◎その他: 豆炭焼却灰、松葉(落ち葉)


  ②測定を通じて放射性セシウムや放射性ヨウ素の誤検出も確認されています(γ線スペクトル上で確認できないのにメーカー提供の解析プログラムを用いると検出されてしまう現象)

  その原因は、1) 福島県や関東地域と比べて阿賀野市の汚染度が極端に低いこと。2)試料中に存在する天然放射性核種が放射性セシウムや放射性ヨウ素の妨害となっている等が考えられます。
 (福島県や関東地域などの放射性セシウムによる汚染度の高い検体測定では、天然放射性核種よりも放射性セシウムの相対的濃度(比放射能)が大きいので、現在のところ天然放射性核種による妨害は小さいと報告されています。)

   阿賀野市の五頭山系は有名な花崗岩地帯で安田地区から採れる花崗岩(御影石)は草水石(ソウズ石)として全国的に有名! また、村杉温泉や今板温泉はラドン温泉(温泉中に地下岩石から溶け出したラドン(Rn-222 天然、ウラン系列)やラジウム(Ra-226 天然、ウラン系列)を含む)として有名です。 阿賀野市の土壌は花崗岩の風化によってできていると考えても過言ではないでしょう!


対象核種とγ線エネルギー   妨害核種とγ線エネルギー
I-131 0.364 MeV       Pb-214 0.352 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-134 0.569 MeV        Tl-208 0.583 MeV (天然、トリウム系列)
Cs-134 0.605 MeV      Bi-214 0.609 MeV (天然、ウラン系列)
Cs-137 0.662 MeV
Cs-134 0.796 MeV      Bi-214 0.768 MeV (天然、ウラン系列)
       ※MeV(エネルギーの単位) =メガ(10の6乗)エレクトロンボルト(電子ボルト) 


  ③阿賀野市の自然計数(バックグラウンド)のかなりの部分が花崗岩由来の天然放射性核種からの放射線によると思われますので、放射線測定器で線量(μSv/h)測定する際には周囲に岩石等があると影響が出ますので十分な注意が必要です。 室内での線量が0.07〜0.10(μSv/h)でも庭石の上では〜0.20(μSv/h)、花崗岩でできた石灯籠の中では0.25(μSv/h)も計測されています。

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