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学校給食食材検査

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学校給食食材検査   東日本における学校給食食材検査の実施状況を、文部科学省の公表データーから抜粋して、まとめてみました。 食材のスクリーニングで使用されているの はNaIシンチレーション検出器が多く、検出下限値も最大で25 Bq/kgを採用しており、厚生労働省が定める「下限値 25 Bq/kg(スクリーニングの技術的要件)」を満たしているが、 新潟県のみ基準に適合していない状況が継続している 。 ◎ 学校給食における放射性物質の検査結果(文部科学省) ◎ 食品中の放射性セシウムスクリーニング法の一部改正について(厚生労働省)

土壌試料調製マニュアル

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土壌試料調製マニュアル    土壌サンプルの測定依頼が増加しており、試料調製に関するお問い合わせが多数寄せられております。    「あがのラボ」では、以下の様な 土壌試料調製法 を用いていますので、参考にして下さい!   土壌の粒度 、 土壌中の水分や異物 が測定容器への充填度及び放射能測定値に影響を与えますので、 充分な乾燥 と 粒度の均一化 が必要です。 ① 採取した土壌をトレー上に4〜5枚重ねた新聞紙に広げ、天日乾燥(風乾)。 雨天や冬場には新聞紙に包んで屋内に放置。 時間がない場合には、電子レンジ加熱、フライパン・鍋等に入れての加熱乾燥も可能です。 ② 土壌の塊を移植ゴテ等により細かく砕き、乾燥を促進する! ③ 目視で大きな異物(木の葉、木の枝、草、小石など)を確認したら取り除く! ④ 乾燥がある程度進んだら、ふるいにかけて土壌粒度を均一にする。 ⑤ 移植ゴテ等で上下を混和して土壌の色が均一になるまで乾燥! ⑥ 乾燥土壌をビニール袋に回収する。    ※パウダー状になった土壌は風で飛散しやすいので作業者は注意を払って下さい!    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan        あがのラボ放射能無料検査申込書pdf (ダウンロードしてご使用ください)

放射性セシウム濃縮測定法の検討

放射性セシウム濃縮測定法の検討     水道水、河川水、灌漑用水、湖沼水等に含まれる放射性セシウムの濃度は極端に低く、NaIでは検出限界を超えております。 そこをなんとか有意に測定できないものかと濃縮測定法の検討を始めました。    本来は、水試料を 加熱濃縮や減圧濃縮 して放射性セシウムの濃度を高めれば良いのですが、 濃縮過程に時間を要することや測定時に妨害となる岩石由来の天然放射性核種も濃縮してしまう ため、セシウムの選択的濃縮法が要求されるわけです。 そこで、比較的安価な ゼオライト を利用することにしました。     ゼオライト はイオン交換とふるい効果により広いpH範囲でCs吸着能(>90%)を持っていることが知られており、放射性セシウムの除去回収に広く利用されています。 未使用のゼオライト【モルデン沸石、(Ca,K2,Na2)[AlSi5O12]2・7H2O】結晶をセシウム汚染水に投入すると、ゼオライトに包含されていたCa+、K+、Na+が溶液中のCs+と置き換わることで、Cs+の回収ができるわけです。 ただし、 イオン選択性はCs+>NH4+>>K+>Na+ となっており、水中にアンモニウムイオンが多量に含まれる汚れた水やNa+が大量に含まれる海水などでは強く妨害を受けます。   また、 ゼオライト(1g)のセシウム吸着交換能は約100〜200mgCs/gと大きく 、非放射性のCsが含まれていたとしても放射性セシウムはほぼ回収するだけの充分な能力があります。    一定量の水試料に既知量のゼオライトを投入し、撹拌後にゼオライトと水を分離する操作を繰り返します。 最終的にセシウムが吸着濃縮されたゼオライトのみをNaIで測定するという方法です。 「継続的な撹拌法?」「水試料の必要量?」等の問題はいくつか存在しますが実験としてトライしてみます。    計画では、数リットル単位で水試料を交換し、その都度回収ゼオライトのスペクトルを観測して、試料水の必要量を見積もることにしています。 また、事前に測定した精製水洗浄ゼオライトには、天然由来の放射性核種は観察されますが放射性セシウムのピークは確認できませんでした。 ゼオライトが汚染されていないことを確認済みです。    なお、 プルシアンブルー (Prussia...

公開を条件に無料で測定します

自然計数の低減     測定装置の下部の鉛遮蔽を7月末に強化しました。  この結果自然計数が30%程度減少し、以前より短時間で低レベルの放射能を定量できるようになりました。    ようやく気温が下がって測定に適した季節になりました。 猛暑の中では、測定室と測定器を一定の温度に保つことは困難でしたので、測定は気温の下がった深夜にのみに実施していました。 今後は、 エアコンの能力で充分に温度をコントロール できますので、測定数を増やしてゆく予定です。    「あがのラボ」では、測定結果の公開を条件に 完全無料 で測定しています。 食品等を測定したいとお考えの方は気軽にご連絡ください!(「 放射能無料検査申込書」 をダウンロード/プリントして必要事項を記入の上で検体と一緒にご持参下さい。)    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan あがのラボ放射能無料検査申込書pdf

河川汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化

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河川汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化     福島第一原発事故により放出された放射性物質の中で放射性セシウム(Cs-137, Cs-134)は阿賀野川河川水中の粘土成分(バーミキュライトやモンモリロナイト)に吸着され福島県会津地方から新潟県へと移動していることが明らかとなっています。 阿賀野川の河川水は、流域の市町村の上水道原水として利用されているだけでなく、農業用かんがい用水としても広く利用されていますので、長期にわたる水田への汚染泥の沈着が懸念されています 。      新潟市が公表している データー を使って、 満願寺浄水場(阿賀野川下流域) で採取された汚泥中の放射性セシウム濃度の経時変化をグラフにしてみました。 福島第一原発事故直後の昨年5月末〜6月初頭にセシウム濃度が大きく増加し( ピーク① )、その後急激に減少しますが梅雨の時期にやや増加しています( ピーク② )。 昨年7月に発生した新潟・福島豪雨による阿賀野川水系(阿賀川・只見川)の氾濫による放射性セシウム濃度の増加は観察されず、むしろ減少する結果となっています。 これは、おそらく大量の雨による希釈効果によるものと思われます。 渇水期の夏場には緩やかに減少し、台風が来襲する秋口になると再度上昇しています( ピーク③ )。 河川泥に含まれる放射性セシウム濃度の増減は上流域(会津地方)での降雨等による川底の撹拌や、ダムからの調節放流などが影響すると思われますが、詳しいことは全く分かっていません。 現在は、満願寺浄水場付近では河川泥に含まれる放射性セシウム濃度が安定して 150〜300 Bq/kg(湿土 )のレベルで推移しています。       一方、信濃川水系の 戸頭浄水場 で採取された河川泥の放射性セシウム濃度変動は満願寺浄水場での変動と異なっています。 福島第一原発事故直後の昨年5月末〜6月初頭に約1,300 Bq/kg(満願寺の1/10程度)を記録したがその後急激に低下し、際立った季節変動も観察されていません。 現在は 約50 Bq/kg程度 のレベルで推移しています。 阿賀野川水系(満願寺)の放射性セシウム濃度が信濃川水系より高いこと、季節変動を伴うことなどから、上流の高汚染地帯(会津地方)の影響を受けていると考えられ継続的な監視が必要と思われます。 ◎...

測定結果のまとめ

測定結果のまとめと問題点   ①γ線放射能モニター(ATOMTEX製AT1320A)導入から1週間を経過し、あがの市民放射線測定室(あがのラボ)では、γ線放射能モニターの性能把握と測定練度を高めるため下記の様々な測定試料を検査してきました。 結果としては、 いずれの検体からも放射性セシウムや放射性ヨウ素(減衰により既に消滅)による汚染を検出できていません 。 ◎食品類: 米(新発田市産)、タケノコ(阿賀野市産)、オレンジ(カルフォルニア産) ◎水試料: 水道蛇口水(阿賀野市)、瓢湖湖水(表面水) ◎土壌類: 土壌(雨どい直下)、砂(雨どい直下)、粘土層(瓢湖湖底) ◎その他: 豆炭焼却灰、松葉(落ち葉)   ② 測定を通じて放射性セシウムや放射性ヨウ素の誤検出も確認されています (γ線スペクトル上で確認できないのにメーカー提供の解析プログラムを用いると検出されてしまう現象)   その原因は、1) 福島県や関東地域と比べて阿賀野市の汚染度が極端に低いこと。2)試料中に存在する天然放射性核種が放射性セシウムや放射性ヨウ素の妨害となっている等が考えられます。  (福島県や関東地域などの放射性セシウムによる汚染度の高い検体測定では、天然放射性核種よりも放射性セシウムの相対的濃度(比放射能)が大きいので、現在のところ天然放射性核種による妨害は小さいと報告されています。)    阿賀野市の五頭山系は有名な花崗岩地帯で安田地区から採れる花崗岩(御影石)は草水石(ソウズ石)として全国的に有名! また、村杉温泉や今板温泉はラドン温泉(温泉中に地下岩石から溶け出したラドン( Rn-222 天然、ウラン系列)やラジウム( Ra-226 天然、ウラン系列)を含む)として有名です。 阿賀野市の土壌は花崗岩の風化によってできていると考えても過言ではないでしょう! 対象核種とγ線エネルギー   妨害核種とγ線エネルギー I-131 0.364 MeV        Pb-214 0.352 MeV (天然、ウラン系列) Cs-134 0.569 MeV        Tl-208 0.583 MeV (天然、トリウム系列) Cs-134 0.605 MeV ...

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味

「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味 現在、国・自治体・民間機関・市民測定所等で食品中の放射能検査が頻繁に実施されています。 公表された検査結果に書かれている、 「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」 などの表記をご覧になったことがあると思いますが、検査機関によって表記が異なるので多くの一般市民は混乱してしまうという実態があります。 今回は、 「ND」「不検出」「検出されず」「検出限界未満」の意味を解説 してみましょう! それぞれの表面的意味としては ① 「ND」:Not Detected(検出されなかった)  疑問:ほんとに無かったの? ② 「不検出」:検出されなかった   疑問:ほんとに無かったの? ③  「検出されず」:検出されなかった  疑問:ほんとに無かったの? ④ 「検出限界未満」:検出できる最小値に満たなかった  疑問:実際はどのくらいだったの? ….となるのですが、いずれも適切な表現ではなく、①〜③は「ゼロ」と思ってしまう方もいらっしゃるだろう! 実は意味するところは全て同じなのです。表現が好ましくないのです。出来れば使用しないでいただきたい。 壊変は確率現象 セシウム137やヨウ素-131等の放射性核種が壊変するのは、いつも一定ではなくて バラツキを持った確率的な現象 なのです。(10枚に1枚は当たるはずの宝くじの末尾賞300円ですが、バラで100枚買っても必ずしも10枚当たるとは限らず11枚の時もあるし8枚の時もある…..) バラツキをもった放射性核種の壊変に伴って放出される放射線を、測定器で観察するわけですから測定値も当然バラツキをもってしまうわけです。 長時間観察したら(大量の宝くじを買ったら)、一定の放射能に収束する(10枚に1枚当たる状況に近づく)わけですがバラツキが全く無くなるわけではありません。 自然計数もバラついている 測定器に検体をセットしていない状態でも周囲にある 自然界の放射線によりカウントされてしまう現象 があります。 これが 自然計数(バックグラウンド) と呼ばれるもので、同様に一定ではなくバラツキを持っています。 測定器に検体をセットした状態では、バラツキを持った自然計数に加えてバラツキを持った検体中の放射性核種からの放射線を同時にカウント...