放射性セシウム濃縮測定法の検討
放射性セシウム濃縮測定法の検討 水道水、河川水、灌漑用水、湖沼水等に含まれる放射性セシウムの濃度は極端に低く、NaIでは検出限界を超えております。 そこをなんとか有意に測定できないものかと濃縮測定法の検討を始めました。 本来は、水試料を 加熱濃縮や減圧濃縮 して放射性セシウムの濃度を高めれば良いのですが、 濃縮過程に時間を要することや測定時に妨害となる岩石由来の天然放射性核種も濃縮してしまう ため、セシウムの選択的濃縮法が要求されるわけです。 そこで、比較的安価な ゼオライト を利用することにしました。 ゼオライト はイオン交換とふるい効果により広いpH範囲でCs吸着能(>90%)を持っていることが知られており、放射性セシウムの除去回収に広く利用されています。 未使用のゼオライト【モルデン沸石、(Ca,K2,Na2)[AlSi5O12]2・7H2O】結晶をセシウム汚染水に投入すると、ゼオライトに包含されていたCa+、K+、Na+が溶液中のCs+と置き換わることで、Cs+の回収ができるわけです。 ただし、 イオン選択性はCs+>NH4+>>K+>Na+ となっており、水中にアンモニウムイオンが多量に含まれる汚れた水やNa+が大量に含まれる海水などでは強く妨害を受けます。 また、 ゼオライト(1g)のセシウム吸着交換能は約100〜200mgCs/gと大きく 、非放射性のCsが含まれていたとしても放射性セシウムはほぼ回収するだけの充分な能力があります。 一定量の水試料に既知量のゼオライトを投入し、撹拌後にゼオライトと水を分離する操作を繰り返します。 最終的にセシウムが吸着濃縮されたゼオライトのみをNaIで測定するという方法です。 「継続的な撹拌法?」「水試料の必要量?」等の問題はいくつか存在しますが実験としてトライしてみます。 計画では、数リットル単位で水試料を交換し、その都度回収ゼオライトのスペクトルを観測して、試料水の必要量を見積もることにしています。 また、事前に測定した精製水洗浄ゼオライトには、天然由来の放射性核種は観察されますが放射性セシウムのピークは確認できませんでした。 ゼオライトが汚染されていないことを確認済みです。 なお、 プルシアンブルー (Prussia...