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用水路堆積泥中の放射性セシウム濃度変化

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用水路堆積泥中の放射性セシウム濃度変化(2012年〜2015年)       新潟県阿賀野市内の灌漑用水は、福島県会津地方を源流とする阿賀野川の河川水を利用している。 取水口から離れた末端の用水路では、幹線用水路と比べ極端に流速が落ちるため用水中の濁り成分が沈殿して用水路に「泥」の堆積が発生する。  2012年から支線用水路に堆積した泥中の放射性セシウム濃度を調査しているが、個々のサンプリング地点の放射性セシウム濃度(Bq/kg)が2012年では大きく異なっていたが、最近はいずれの地点も減少傾向にあり約100Bq /Kg程度に低下している。       この調査とは別に、新潟市水道局が実施している阿賀野川河川水を利用した水道浄水場に於ける「脱水汚泥中の放射性セシウム濃度」の調査でも阿賀野川の河川水汚泥の放射性セシウム濃度が約100 Bq/kg程度で安定している。 浄水場発生土中の放射性セシウム(阿賀野川と信濃川)       原発事故初期(2011年)に高濃度に汚染された河川泥が阿賀野市の用水路の各所に沈殿堆積していたが、時間とともに下流へと移動し、現在では何れの地点でも約100Bq /Kg程度まで減少していると考えられる。 確認された減少傾向が今後も継続すれば用水路を介した放射性セシウム汚染泥の水田への流入が「米」への放射性セシウムの移行を引き起こすことは考えにくいが、阿賀野川上流で洪水等が発生することで、下流域に高濃度の放射性セシウム汚染泥が新たに運ばれてくる可能性が否定できないので、今後も継続した監視が必要と考えられる。 ◎用水路堆積泥のサンプリング地点     ①阿賀野市沖通:右岸幹線用水路(大荒川用水路)の支線用水     ②阿賀野市熊堂村新田:右岸幹線用水路(高関用水路)の支線用水     ③阿賀野市法柳新田:新江幹線用水路の支線用水     ④新潟市北区上大月:西部幹線用水路(長浦1号用水路)の支線用水

セシウム汚染泥の距離による変動

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用水路堆積泥のセシウム汚染(西部幹線用水路)   阿賀野市には「阿賀野川土地改良区」が管理する阿賀野川河川水を利用した用水路網が存在する(図参照)。   これまでに、「あがのラボ」では幹線用水路の末端地域の支線用水路に堆積する用水路泥中の放射性セシウム濃度の経年変化を調査してきた( 阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013) )。  その結果、流速が小さい末端支線水路には2年半を経過しても未だに約80〜300 Bq/kgの汚染泥が存在すること、大雨等の気象条件で変動することなどが次第に判ってきた。     今回は、幹線用水路の上流から下流にどのように汚染泥が分布しているかを調べるため、阿賀野市のほぼ中央を流れる「西部幹線用水路ー長浦2号用水路」を対象に、 幹線用水路から水田への取水口付近 の堆積泥を採取し、放射性セシウム濃度を求めた。    なお、測定試料採取日の2014年4月2日で用水路への春季通水は実施されていない。   測定結果   Cs-137+Cs-134 放射能濃度(Bq/kg)  ① 阿賀野市寺社            20 ②阿賀野市小境            26 ③阿賀野市下ノ橋         69 ④阿賀野市五郎巻         92 ⑤新潟市北区長場          8   考察   幹線水路取水口近傍の支線用水路に堆積した泥に含まれる放射性セシウム濃度は上流(阿賀野市寺社)から下流(阿賀野市五郎巻)に向けて上昇傾向にあるが、最も下流地域(新潟市北区長場)では極端に低くなっていた。 ...

福島県の土壌汚染

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福島県の土壌 阿賀野市の「原発ゼロの会」の視察に同行した際に採取した土壌サンプルの測定結果です。  福島県富岡町では、44万ベクレル/Kgものセシウム汚染土壌が存在していました。 阿賀野市から富岡町に向かう際の高速道PA土壌にも数千ベクレル/Kgの土壌がありました。(写真は津波で破壊された富岡駅) 測定結果の報告書 福島視察.pdf  

阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013)

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阿賀野川堆積泥、用水路堆積泥(2012〜2013)   昨年度に引き続き、阿賀野川河川敷堆積泥と用水路堆積泥の定点測定を実施した。  阿賀野川河川敷堆積泥 2013年9月に、 阿賀野市安田運動公園脇の右岸 と 阿賀野市下里(新潟市満願寺浄水場対岸)右岸 から、河川敷に堆積した泥を採取し、乾燥後にふるいに掛けて異物を取り除いた試料を作成し測定検体とした。 今回の試料採取は台風18号の影響で阿賀野川の増水が発生した後に実施した。    福島第1原発で放出された放射性セシウムは、阿賀野川上流域の会津地方に降り注ぎ土壌に沈着し、2011年7月に発生した 「新潟福島豪雨」 によって下流に運ばれて、増水によって冠水した阿賀野川下流域の河川敷に堆積したと考えられている。    「新潟福島豪雨」以後は、下流域の河川敷が冠水する程の増水が発生していないので、堆積した泥の中の放射性セシウムは徐々に物理的半減期に従って減少傾向にあったが、 2013年9月の台風18号による増水で新たに河川敷が泥によって覆われることになった 。  増水の直後にサンプリングした2地点の放射能濃度は約270 Bq/kg と大幅に増加した 。   福島原発事故から既に2年半も経過しているが、阿賀野川を介した放射性セシウムの移動は今もなお発生しており、大雨時には河川の混濁により大量の高濃度汚染泥が運ばれて来るものと考えられる。 用水路堆積泥   2012年に引き続き、2013年6月と10月に 阿賀野市法柳新田、新潟市上大月、阿賀野市熊堂、阿賀野市沖通 の4地点から支線用水路に堆積している泥を採取し、含まれている放射性セシウム濃度を求めた。    阿賀野市沖通 の放射性セシウム濃度は2013年に急激に減少している が、他の3地点は減少が少ないか、逆に増加している地点も存在した。  これらの支線用水路は幹線用水路から距離があり、流速も遅いことが確認されているので、用水路水と共に運搬されてきた泥成分が沈殿しやすい状況にあるのは確実と考えられる。 しかし、阿賀野川から取水された用水に含まれる泥成分が、どの位の時間で末端支線水路に移動しているのかは不明であるため、観察された放射性セシウムの濃度変化の解釈は難しい!    ...

道路を介したセシウム移動(沿道土壌調査)

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沿道土壌調査   「あがのラボ」では阿賀野市内の国道49号線(若松街道)、国道290号線、県道27号線、県道55号線、県道255号線などの沿道に堆積している土壌および、道路に隣接する近傍の土壌を採取し、土壌中の放射性セシウムの濃度を調べている。         この調査の目的は、放射性物質が雨や風などの自然現象だけでなく、道路を介した車の移動によって汚染地帯から非汚染地帯へと移動・拡散すると予測できるので、福島県の会津地方に近い位置にあり発災当時には一般土壌の汚染が極めて低い阿賀野市内にどのくらい 道路を介した放射性物質の持ち込 み が発生しているのかを明らかにすること。 サンプリング地点と放射能濃度(Bq/kg) 沿道土壌(黄色)、近傍土壌(緑)   沿道土壌には、福島原発由来の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)が検出されるが、近傍の土壌からは殆ど検出されないことから、道路の両端には周囲よりも多量の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)が存在することが判ってきた。    沿道土壌に含まれる放射性セシウム濃度は、<160 Bq/kg程度で 道路の交差点や坂道の下などで高くなる傾向 が認められる。  沿道土壌の放射性セシウムは、 阿賀野市内の神社・寺院等から採取した一般土壌の放射性セシウム濃度(9〜33 Bq/kg)と比較しても2倍以上の濃度で、福島原発由来の短半減期Cs-134が検出できる。 原発事故初期に、大気中から道路上に降下した放射性物質は雨などにより道路の両側に集積し 側溝 に洗い流されと考えられるが、2年半が経過しても沿道に高濃度で存在することから「初期の降下物」が残留していると考えるよりも、車のタイヤ等に付着した放射性物質が汚染地域から新たに運ばれていると考える方が説明が付く。 沿道土壌と近傍土壌のγ線スペクトル  

昆虫飼育マット

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 昆虫マット   夏休みの自由研究に使用されるカブトムシやクワガタなどの昆虫飼育用マットをダイソーで入手し、放射性セシウムによる汚染を調査してみました。   昆虫マットには、「腐葉土」や「朽木粉砕おがくず」などが使用されていますので、放射性セシウムによる汚染が疑われています。(多くのメーカーでは、汚染土の高い東日本を避けて、西日本製の「腐葉土」や「朽木粉砕おがくず」を使用しています。)  ◎ダイソー昆虫マット(「昆虫マット」高発酵・高栄養・プロテイン配合・腐葉土)     597グラム、50,000秒     Cs-137(検出限界未満、<1.3 Bq/kg)     Cs-134(検出限界未満、<1.3 Bq/kg) ◎ハイグレード昆虫マット(「くぬぎ伝説」くぬぎ・ならの朽木を粉砕)     476グラム、50,000秒     Cs-137(検出限界未満、<1.7 Bq/kg)     Cs-134(検出限界未満、<1.6 Bq/kg)   ※γ線スペクトル上には明確なピークは確認できません。 高エネルギー側のCs-134の領域にはピークは確認できません。 一方、低エネルギー側のCs-134の領域にはBi-214の影響が見られます。 「昆虫マット(朽木、「くぬぎ伝説」)」のCs-137に相当する部位に僅かな膨らみが確認できます。  

放射性セシウムが路傍の「コケ」に含まれている

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「コケ」(セシウム汚染の指標)    地衣類やコケが放射性セシウムを濃縮することが報告されているので、阿賀野市に自生している「苔(コケ)」を採取し、γ線スペクトルを観察してみました。    採取した「苔」から土壌を取り除くために水洗いし、水切り後に新聞紙上に広げて乾燥後NaIシンチレーションカウンターで測定し、ガンマー線スペクトルを得た。    γ線スペクトル上には、福島原発事故由来の放射性セシウム(Cs-137、Cs-134)に加えて、宇宙線により大気中に生成する放射性ベリリウム(Be-7)のピークが観察された。  同じ阿賀野市内で採取した「コケ」でも、放射性セシウムが含まれていない「コケ」もあるため、現在 、「コケ」に含まれるセシウム濃度と採取地点との地理的関係から放射性セシウムの供給源を調査中 !   ※大気中のBe-7、天然のラドンやその娘核種は、植物の呼吸によって植物体の葉に取り込まれるため、しばしば植物サンプルのγ線スペクトルに現れる。 半減期の短いラドンの娘核種(Bi-214、Pb-214)はエイジングによって減少するため、γ線スペクトルで区別可能。