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土壌試料調製マニュアル

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土壌試料調製マニュアル    土壌サンプルの測定依頼が増加しており、試料調製に関するお問い合わせが多数寄せられております。    「あがのラボ」では、以下の様な 土壌試料調製法 を用いていますので、参考にして下さい!   土壌の粒度 、 土壌中の水分や異物 が測定容器への充填度及び放射能測定値に影響を与えますので、 充分な乾燥 と 粒度の均一化 が必要です。 ① 採取した土壌をトレー上に4〜5枚重ねた新聞紙に広げ、天日乾燥(風乾)。 雨天や冬場には新聞紙に包んで屋内に放置。 時間がない場合には、電子レンジ加熱、フライパン・鍋等に入れての加熱乾燥も可能です。 ② 土壌の塊を移植ゴテ等により細かく砕き、乾燥を促進する! ③ 目視で大きな異物(木の葉、木の枝、草、小石など)を確認したら取り除く! ④ 乾燥がある程度進んだら、ふるいにかけて土壌粒度を均一にする。 ⑤ 移植ゴテ等で上下を混和して土壌の色が均一になるまで乾燥! ⑥ 乾燥土壌をビニール袋に回収する。    ※パウダー状になった土壌は風で飛散しやすいので作業者は注意を払って下さい!    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan        あがのラボ放射能無料検査申込書pdf (ダウンロードしてご使用ください)

冬に向けての定期点検

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測定器のメインテナンス中    気温が下がって、間もなく冬到来の季節となりました。 現在「あがのラボ」では冬期間の測定室気温低下に対応するため、エアコンの設定温度を 18±2℃ に変更しました。 これに伴い、γ線測定器の自然計数を再測定しています。    今回より、検出限界値をより低減する目的で自然計数の測定時間を40,000秒に延長しました。 予定では Cs-134、Cs-137の検出限界が<1Bq/kg となるはずです。 更に、来春には低レベル放射能検出を短時間で行えるように遮蔽の強化を計画しています。    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan        あがのラボ放射能無料検査申込書pdf (ダウンロードしてご使用ください)

土壌汚染調査(その1)

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土壌汚染調査(その1)    福島原発事故による土壌の放射能汚染を調査するため、阿賀野市及び周辺地域の土壌を採取し放射性セシウムの放射能濃度を求めてみました。    土壌採取は、土壌表面が農作業により撹拌される 畑や水田を避け て、居住地近くにある神社等を選んで、数点からの 表面土(〜深さ5cm) を採取した。   比較対象として、福島県に近く、きのこ等のセシウム汚染が確認されている 阿賀町 の土壌も調査した。  測定結果     阿賀町鹿瀬で採取した土壌からは、放射性セシウムの Cs-137 と Cs-134 が検出され、福島原発事故による汚染が確認できた。 一方、その他の地点では放射性セシウムは検出限界未満か検出されてもCs-137のみで、直接的な福島原発事故の影響を確認できなかった。 検出限界未満となった地点のγ線スペクトル上には僅かではあるが Cs-137 の存在が確認できるので、 Cs-137の起源は過去の原爆実験やチェルノブイリ事故によるもの と推測している。     現時点では、阿賀野市の一般土壌に関しては明確な福島原発事故による汚染が認められていないが、阿賀野市に隣接する 阿賀野川河川敷の汚染 、 かんがい用水路に堆積する汚泥の汚染 が確認されているので、それらの移動拡散による二次汚染に注意を払う必要がある。                                      測定時間:30,000秒 土壌採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算 (Bq/kg(乾)) 阿賀野市寺社 2012-10-09 2012-10-18     33 ※ 阿賀野市上江端 2012-10-15 2012-10-18     20 ※ 阿賀野市里 2012-10-19 2012-10-23     15 ※ 阿賀野市小松 2012-10-24 2012-10-29     15 ※ 阿賀野市大室 2012-10-03 2012-10-06     13 ※ 阿賀野市田山 ...

放射性セシウム濃縮測定法の検討

放射性セシウム濃縮測定法の検討     水道水、河川水、灌漑用水、湖沼水等に含まれる放射性セシウムの濃度は極端に低く、NaIでは検出限界を超えております。 そこをなんとか有意に測定できないものかと濃縮測定法の検討を始めました。    本来は、水試料を 加熱濃縮や減圧濃縮 して放射性セシウムの濃度を高めれば良いのですが、 濃縮過程に時間を要することや測定時に妨害となる岩石由来の天然放射性核種も濃縮してしまう ため、セシウムの選択的濃縮法が要求されるわけです。 そこで、比較的安価な ゼオライト を利用することにしました。     ゼオライト はイオン交換とふるい効果により広いpH範囲でCs吸着能(>90%)を持っていることが知られており、放射性セシウムの除去回収に広く利用されています。 未使用のゼオライト【モルデン沸石、(Ca,K2,Na2)[AlSi5O12]2・7H2O】結晶をセシウム汚染水に投入すると、ゼオライトに包含されていたCa+、K+、Na+が溶液中のCs+と置き換わることで、Cs+の回収ができるわけです。 ただし、 イオン選択性はCs+>NH4+>>K+>Na+ となっており、水中にアンモニウムイオンが多量に含まれる汚れた水やNa+が大量に含まれる海水などでは強く妨害を受けます。   また、 ゼオライト(1g)のセシウム吸着交換能は約100〜200mgCs/gと大きく 、非放射性のCsが含まれていたとしても放射性セシウムはほぼ回収するだけの充分な能力があります。    一定量の水試料に既知量のゼオライトを投入し、撹拌後にゼオライトと水を分離する操作を繰り返します。 最終的にセシウムが吸着濃縮されたゼオライトのみをNaIで測定するという方法です。 「継続的な撹拌法?」「水試料の必要量?」等の問題はいくつか存在しますが実験としてトライしてみます。    計画では、数リットル単位で水試料を交換し、その都度回収ゼオライトのスペクトルを観測して、試料水の必要量を見積もることにしています。 また、事前に測定した精製水洗浄ゼオライトには、天然由来の放射性核種は観察されますが放射性セシウムのピークは確認できませんでした。 ゼオライトが汚染されていないことを確認済みです。    なお、 プルシアンブルー (Prussia...

阿賀野市産の「柿」は大丈夫か?

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阿賀野市産の「柿」は大丈夫か? 阿賀野市産(路地物)の柿を検査してみました。    柿の皮をむいて、ヘタ、種を除去し可食部をサイコロ状に包丁で裁断した後に1リットルマリネリ容器に充填して測定。    柿の果肉は比較的柔らかいので上から圧力を加えて抑えこむとギッシリと充填できます( ミキサー等でジュース状に加工すると、柿に含まれる糖分のため測定中に発酵が生じ、容器から溢れてしまいますのでお勧めできません。 ) なお、用いた柿は渋抜き操作を実施していません!   測定後の柿は、発酵こそしていませんでしたが、表面がジャム化しており容器がベタベタ状態........測定操作は無菌状態で実施しておりませんので 衛生上危険 と判断して廃棄しました。 測定結果    Cs13 7もCs134も検出限界未満で 検出 できませんでした。  また、 γ線スペクトル上にも該当核種のピークは 確認できません。 試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137 (Bq/kg) Cs134 (Bq/kg) 柿(阿賀野市産路地物) 2012-10-20 2012-10-21 904g 検出限界未満(<1.4) 検出限界未満(<1.4)                                              ※測定時間は20,000秒       尚、福島県では、24年産の柿からセシウム合算で最大 87 Bq/kg が検出されています。         ◎ 福島県農林水産物モニタリング情報    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan        あがのラボ放射能無料検査申込書pd...

秋の味覚の「クリ」検査

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秋の味覚の「クリ」検査 2012年8月〜2012年10月の 福島県のモニタリング結果 を見ると、秋の味覚「クリ」で〜150 Bq/kg、「ミョウガ」〜50 Bq/kg と他の農産物と比較して放射性セシウムが頻繁に検出されています。   新潟県の汚染状況を知るために、 五泉市村松産の「クリ」 と 阿賀野市産路地物「ミョウガ」 を測定してみました。    その結果、いずれも検出限界未満となり「クリ」は栗ご飯に、「ミョウガ」はサラダとお吸い物にしていただきました。 (クリの皮むきは大変な作業でしたが、これが今晩の「栗ご飯」になることを期待して奮闘しました。) 試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137 (Bq/kg) Cs134 (Bq/kg) クリ(五泉市村松産) スーパー購入 2012-10-14 912g 検出限界未満(<1.6) 検出限界未満(<1.5) ミョウガ(阿賀野市産路地物) 2012-10-12 2012-10-13 527g 検出限界未満(<2.8) 検出限界未満(<2.6)                                              ※測定時間は15,000秒    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan        あがのラボ放射能無料検査申込書pdf

阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)

阿賀野川河川敷の汚染状況(その2)    5月末から6月初頭にサンプリングした阿賀野川右岸の6つの河川敷のうち2つの地点を選択して、再び土壌を採取して放射能濃度の変化を調べてみました。   下流域にあたる阿賀野市下里河川敷では、5ヶ月経過しても河川敷土壌中の放射性セシウム濃度にほとんど変化がありません。 一方、上流域の安田橋運動公園河原に関しては数値が大幅に減少していました。    安田橋運動公園付近で今年の夏から河川の護岸改修工事が実施されているため放射性セシウム濃度の減少は、自然減ではなく人為的なものと考えています 。 いずれにしろ、阿賀野川の底質泥を介した放射性セシウムの流下移動は現在も続いているものと考えられますので、今後も継続的に監視して行く予定です。 採取地点 採取日 測定日 放射性セシウム合算 (Bq/kg(乾)) 阿賀野市下里河川敷 2012-10-09 2012-10-15     135 阿賀野市下里河川敷 2012-06-10 2012-06-15     200 阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-10-09 2012-10-15       71 阿賀野市安田橋運動公園河原 2012-05-25 2012-06-02       197                                   ※放射性セシウム合算=Cs137+Cs134                    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    E-mail  : purplenao@gmail.com    Twitter  : @purplewatch    Facebook...