投稿

稲わらの放射能測定

イメージ
稲わらの放射能測定 農家さんのご協力で、24年度に収穫した「稲わら」が入手できたので、放射能を測定してみました。   ①乾燥稲わら    阿賀野市小浮で採取した「稲わら」を電子レンジで加熱して風乾後にミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填してNaIシンチレーションカウンター(AT1320A)で40000秒測定。   粉砕した「稲わら」はスポンジ状となり、 容器に充填するのが困難でしたが、約350グラム程度充填できました。 ②炭化稲わら   「稲わら」に含まれる放射性セシウム濃度を高めるために、放射性セシウムが飛散しない低温(約250度)で乾燥稲わらを炭化(蒸し焼き)。 「炭化稲わら」を再度ミキサーで粉砕し、1リットルマリネリ容器に充填して40000秒測定。   測定結果 試料名 採取日 測定日 測定重量 Cs137 (Bq/kg) Cs134 (Bq/kg) 放射性K40 (Bq/kg) 乾燥稲わら 2012-09-20 2012-09-21 353g 検出限界未満(<3.5) 検出限界未満(<3.3)   386 炭化稲わら 2012-09-20 2012-09-22 247g 検出限界未満(<5.2) 検出限界未満(<5.0)   960 放射性セシウムは全て検出限界未満でした。 「炭化稲わら」の放射性カリウム40の濃度が、「乾燥稲わら」の2.49倍に濃縮されているので、放射性セシウムも同率で濃縮されると仮定すると、乾燥稲わら換算で放射性セシウムの検出限界値がいずれも2.0 Bq/kgとなり、「乾燥稲わら」に含まれる セシウム137とセシウム134の合算は4.0Bq/kg未満 と推測できます。 なお、土壌から白米には稲わらの1/5 程度の放射性セシウムが移行するという報告がありますので、この白米に含まれている放射性セシウムは 1Bq/kg未満となります。 ※放射能濃度が低く、かさ高い検体は、そのままでは充填密度が低くなるので、本来は電気炉等で低温灰化した後に酸抽出により濃縮測定す

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)

かんがい用水路の堆積泥調査(その2)       用水路堆積泥の追跡調査(9/2〜9/15)を実施しました(4地点)。 検出限界値を超えた放射性セシウムが検出されなかった阿賀野市熊堂村新田の用水泥を再度サンプリング(9/27)し、再検討しました!    6月に採取した用水路と 同地点 で堆積泥を採取し、 前回と同様に 天日乾燥後にふるいにかけ、異物を除去した後、1リットルのマリネリ容器に充填し、5000秒〜10000秒測定! その結果、 阿賀野市熊堂村新田で採取した用水堆積泥を除いた3地点で 全ての地点で前回と同レベルの放射性セシウムが検出されました。         放射能濃度の増減は認められるものの、大きな変化はありません !   試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値 (Bq/kg) 用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-09-02 2012-09-10    130 用水路堆積泥(阿賀野市沖通) 2012-06-23 2012-06-30    191 用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-09-27 2012-09-30     277 (訂正) 用水路堆積泥(阿賀野市熊堂村新田) 2012-06-23 2012-06-30    241 用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-09-15 2012-09-18    145 用水路堆積泥(阿賀野市法柳新田) 2012-06-28 2012-06-30    161 用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-09-02 2012-09-06    415 用水路堆積泥(新潟市北区上大月) 2012-06-28 2012-06-30    371    ※ 阿賀野市熊堂村新田に関しては、サンプリング地点を間違えたために生じた単純ミスです。申し訳ありません!(夏草で用水路全体が隠れていたために、別の地点から採取してし

測定結果(9/7〜9/14)

イメージ
測定結果(9/7〜9/14)   スーパーで安売りしていた「もも果汁飲料」から放射性セシウムが検出されました!    試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値 (Bq/kg) 明治ブルガリアヨーグルト(宮城県東北工場) スーパー購入 2012-09-10 検出限界未満(<2.7) 雪のふる里低脂肪乳(南魚沼市・KK雪里) スーパー購入 2012-09-10 検出限界未満(<3.0) 北の草原牛乳(燕市・原田乳業) スーパー購入 2012-09-11 検出限界未満(<3.0) 白米(北越後コシヒカリ 新発田市23年産) スーパー購入 2012-09-12 検出限界未満(<3.4) 35%もも果汁入飲料(ヤマザキ) スーパー購入 2012-09-14     3.0 ※     ※   セシウム137のみ検出! セシウム134は検出限界未満でした。  なお、測定時間 50,000秒の検出限界値は、セシウム137(1.4 Bq/kg)、セシウム134(1.3 Bq/kg)     ※   原材料に使用されている桃は国内産ですが詳細な産地は不明!  (山梨、福島、長野県の3県で桃の生産量の65%を占めています。)     ※   35%もも果汁入飲料の1缶(350ml)に、約1ベクレルの放射性セシウムが含まれている計算になります。  また、原材料の桃は 8〜9 Bq/kg程度のセシウム濃度と推測できます。   なお、JA新ふくしまでは、NaIシンチレーション検出器を用いて出荷前農作物の 放射性物質自主検査 を実施しています。 ただし、測定時間30分で検出限界 セシウム137 10Bq/kg、セシウム134 10Bq/kg、セシウム合算 20Bq/kgという極めて緩い条件で測定しています。 JAが独自に自主検査することは評価に値しますが、基準値(セシウム合算で100Bq/kg)を超えていないという根拠で放射性セシウムが含まれている農作物を市場に出荷していることは、生産者の姿勢

公開を条件に無料で測定します

自然計数の低減     測定装置の下部の鉛遮蔽を7月末に強化しました。  この結果自然計数が30%程度減少し、以前より短時間で低レベルの放射能を定量できるようになりました。    ようやく気温が下がって測定に適した季節になりました。 猛暑の中では、測定室と測定器を一定の温度に保つことは困難でしたので、測定は気温の下がった深夜にのみに実施していました。 今後は、 エアコンの能力で充分に温度をコントロール できますので、測定数を増やしてゆく予定です。    「あがのラボ」では、測定結果の公開を条件に 完全無料 で測定しています。 食品等を測定したいとお考えの方は気軽にご連絡ください!(「 放射能無料検査申込書」 をダウンロード/プリントして必要事項を記入の上で検体と一緒にご持参下さい。)    ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563    Twitter  : @purplewatch    Facebook : http://www.facebook.com/nao.purpleswan あがのラボ放射能無料検査申込書pdf

測定結果(8/10〜9/6)

測定結果(8/10〜9/6)   試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値 (Bq/kg) 用水路堆積泥(阿賀野市沖通) ※1 2012-09-02 2012-09-06     130 用水路堆積泥(新潟市北区上大月) ※1 2012-09-02 2012-09-06     415 周回水路堆積泥(瓢湖・さくら池) ※2 2012-08-07 2012-08-11     360 畑土壌(阿賀野市外城町) 2012-08-28 2012-09-01       12 本つゆ(キッコーマン) スーパー購入 2012-09-01 検出限界未満(<2.7) 味ぬか(チヨダ) スーパー購入 2012-08-10 検出限界未満(<3.9) 猫エサ・ミオ(日本ペットフーズ) ※3 スーパー購入 2012-08-27 検出限界未満(<9.4) 猫砂(ライオン)  ※3 スーパー購入 2012-08-27 検出限界未満(<4.6)     ※1    【 定点測定 】: 前回の測定値(6月末採取試料)は 、191 Bq/kg(阿賀野市沖通) 、 371 Bq/kg(新潟市北区上大月) で、大きな変動は認められず、用水路堆積泥のセシウム汚染は継続している。     ※2    【 定点測定 】 : 前回の測定値(6月末採取試料) 484 Bq/kg(C地点) からの大きな変動はない。          ※3       牛、馬、豚、家きん(にわとり、うずら)、養殖魚に与える動物用飼料に放射性セシウム暫定許容値が設定されていますが、ヒトと密接に接する機会が多い犬猫などのペット(愛玩動物)のエサに関する基準値は定められていない。   ★連絡先    あがのラボ (あがの市民放射線測定室) 担当:村上            0250-62-3102  /  080-3208-6563  

食品類の測定結果

イメージ
食品類の測定結果   試料名 採取日 測定日 放射性Cs合計値 (Bq/kg) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-20 2012-05-20 検出限界未満(<4 .8) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-21 2012-05-21 検出限界未満(<4 .2) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-25 2012-05-25 検出限界未満(<4 .6) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-28 2012-05-28 検出限界未満(<4 .5) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-05-30 2012-05-30 検出限界未満(<4 .3) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-06-22 2012-06-22 検出限界未満(<4 .3) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-07-07 2012-07-07 検出限界未満(<4 .0) 水道蛇口水(阿賀野市) 2012-08-01 2012-08-01 検出限界未満(<3 .8) 天然水南アルプス(サントリー) スーパー購入 2012-07-01 検出限界未満(<3 .8) 新潟県産こしいぶき スーパー購入 2012-07-07 検出限界未満(<3 .5) コシヒカリ(新発田市) スーパー購入 2012-05-18 検出限界未満(<4 .0) たけのこ(阿賀野市) スーパー購入 2012-05-21 検出限界未満(<9 .6) ジャガイモ(胎内市) スーパー購入 2012-08-01 検出限界未満(<4 .1) オレンジ(カルフォルニア) スーパー購入 2012-05

湖沼の放射能調査(その1)

イメージ
湖沼の放射能調査(その1)   新潟県は福島原発事故による直接的な放射性セシウム汚染は低かったものの、阿賀野川の上流部に位置する福島県の只見川・阿賀川水系の放射性セシウム汚染の影響を受け続けている。 放射性セシウムは泥成分に吸着し、 阿賀野川河川水と阿賀野川から取水したかんがい用水と共に下流域に移動し、水田・畑・湖沼などに及んでいる と考えられるが、その実態は充分に調査されていないのが現実です。 あがのラボでは、今後も長期間継続すると思われるセシウム汚染の影響を予測するために、現時点での汚染の実態を把握する必要があると考えて、これまでに 「阿賀野川河川敷堆積物」「用水路堆積泥」 などを調査してきました。 今回は、 泥成分が沈降しやすい湖沼 を対象に放射能調査を実施しました。   調査した地点は、かんがい用水と一般河川水が混合流入している 内沼(新潟市北区) と 十二潟(新潟市北区) 、かんがい用水の直接流入が認められない 瓢湖・さくら池(阿賀野市 )及び じゅんさい池(阿賀野市) 。 より大きな地図で 湖沼の放射能調査 を表示   測定結果   直接にかんがい用水の流入が認められない ①瓢湖 、 ②瓢湖・さくら池(人工池) 、 ③じゅんさい池(ため池) では、堆積物中の放射性セシウム濃度は 「検出限界未満」〜31 Bq/Kg(乾燥泥) と予想されたように低い値でした。 ただし、NaIシンチレーション測定器を用いた γ線スペクトル上にCs-137と共にCs-134のピークが明確に確認できないので、放射性セシウム汚染の原因が福島原発事故に起因するかは判断できませんでした 。 汚染度が低く「検出限界未満」となった ②瓢湖・さくら池 に関しては完全閉鎖系でその水源は天水(降雨)のみですが、 ①瓢湖と③じゅんさい池には河川水や沢水の流入 が認められますので、今後も放射能濃度の継続測定が必要と考えています。    かんがい用水と一般河川水の流入が認められる ④内沼 と ⑤十二潟 では、閉鎖系と比べて汚染度が高くなっていると予想していましたが、実際には 77 Bq/Kg(乾燥)と「検出限界未満」 という低い値に留まっています。  ④内沼と⑤十二潟の底質泥を採取できる場所が流出口付近に限定されたため、沼や潟の上流